父、帰る

父、帰る [DVD]

父、帰る [DVD]

写真でしか見たことのない父が突然帰ってきて、一緒に旅行へ行く、という話です。伏線が結構あったのに、わからずじまいのところが多い。しかし救いのない映画だったなー。悲しすぎます。父親は傲慢というか、〜しろとか命令ばかりなんだけど、それが全て躾のように感じられる。けど結局は傲慢な父だったのかもしれない。というか、まあこの男が父親であるという確証は昔撮った写真一枚のみで、父の記憶のない子供達からすれば、本当にこの人が父親なのか、わからない。本当の父親でなくても、そう思えば本当の父親になりえる。うみねこのなく頃に、でも言っていたが、箱をあけるまでは箱の中に入っている猫は生きているか死んでいるか、その両方である。この映画では、本当の父親かどうか、息子は疑っていることでわかるように、明快にされていない。だからこの父親は父親であって、父親でないんだと思う。なんだかいろいろと考える映画だった。わからないところはわからないままでモヤモヤする。良い映画だったけど、救いがないので、見るタイミングは大切だと思う。